キャンドルの制作・知識について

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キャンドルショップの基本

キャンドルを自身で製作販売する為には制作する方法や知識が必要となります。知識の身につけ方、キャンドルで使用する一般的な原料や資材などについて解説します。

キャンドルショップ開業

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キャンドル制作

キャンドルの制作方法は当然ですが素材から始まり、形や大きさ・使用用途により手法が異なります。一般的な作り方を覚える方法としては「教室に通う」「制作現場で働く」「本やネットを参考にする」「独学で覚える」など様々です。それぞれの方法で掛かる時間もお金も異なります。どの方法が良いか悪いかとは一概に言えませんが、知り得た技法や情報はあくまでも基本であって、そのもの自体で製品を作っても売れません。例えばネット公開されている技法のキャンドルは誰でも見て作れるのですから商品価値がありません。ですので自身のオリジナル製品を作る為のアイデア・ヒントと位置づけて下さい。

そして特に注意してほしいのがネット情報です。作り方・レシピなど素人の方が公開されています。全てではありませんが、専門家から見ると大変危険な作り方だったり、素材や道具を全く理解していない解説が時々見られます。デザイン重視で作られた物、火を灯す事が検証されていない物は、火災を招く単なる火種となります。個人的な趣味の作品と店頭に出る製品は全く別物という事を知って下さい。

キャンドルを製作販売する上で一番重要なのが「安全性」なのです。デザインやテクニックはお金を出せば知る事も出来ますし、なにより経験する事で日々向上します。見た目優先ではなく、安全に楽しく使って頂けるキャンドルを制作し提供するのが専門店の基本となります。

素材・原料を知る事

ワックス

様々な種類の原料が存在しますので、始めは混乱するかも知れません。作るタイプにより素材も変わりますので基本的な解説をします。

パラフィンワックス

お仏壇用やお誕生日用など一番多く流通しているキャンドルの原料です。原油から精製された副産物で車のタイヤ、クッキングシートを始め、様々な生活の中でも使われています。専門家から見ると一番クセが無く、扱いが簡単なワックスでもあります。植物性ワックスが台頭してきた昨今、パラフィンワックスが悪者扱いされる傾向があります。ソイワックスや蜜蝋の天然素材に相反してナチュラルじゃない・・・これは間違えで、原油精製品ですので正確には「鉱物系ワックス」つまりこれも天然素材となります。原油から精製と説明しましたが、正確には原油から精製抽出した液体のミネラルオイル(流動パラフィン)を水素添加して固形化したものです。水素添加料によって硬さが変動しますので、同じパラフィンワックスと言っても強度・融点・軟化点などが違う種類が存在します。制作するキャンドルのタイプにより、これらを使い分けします。

製品として使用するパラフィンワックスですが、個人的には国内精製品を推奨します。外国製の安価な物も多くありますが、精製した原料の品質レベルが国内精製品に比べ劣ります。また外国製特有の匂いなど、アロマキャンドルには不向きだと判断しています。

主な製品用途としては、自立タイプのピラーキャンドル、グラス充填キャンドル、特殊な形状の型取りキャンドルなど、ほぼ全てのタイプで使用できます。

ジェルワックス

上記のパラフィンワックスと同じミネラルオイルを原料としています。透明なキャンドルに使用されます。パラフィンワックスは水素添加により硬化させ見た目も白い塊ですが、ジェルワックスは特殊ポリマーを添加するので白くならず、透明で弾力のあるジェルタイプとなります。硬さの違うタイプはポリマーの添加量により調節されます。添加量が少ないほど硬さ(強度)が無くなり、また白濁しますので一定以上の強度が無いワックスは透明感が損なわれます。このワックスも製造しているメーカーや国によりミネラルオイルの品質レベルが異なりますので、場合により変な濁り・不純物・匂いがある物が存在します。信用できる製造元や卸元から仕入れて下さい。

主な製品用途はジェルキャンドル、グラス充填、硬さにより自立タイプなどです。

キャンドルショップ開業

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ソイワックス

近年主流となっている植物性ワックスです。海外の高級キャンドルなどでも使われます。滑らかでクリーミーな質感、パラフィンワックスに比べ同じ内容量でも燃焼時間が長い事も特徴です。素材は大豆から抽出した大豆油で、パラフィンワックスと同様に水素添加して固形化しています。添加量の違いで融点や硬さが変わります。一般的にはグラス充填に適したタイプと自立型の硬さのあるタイプに別れます。

蜜蝋

ミツバチの巣を精製分離して採取した動物性ワックスです。天然の為、採取する時期・花の種類によりワックスの色合いも変わります。一般的な精製では細かな花粉などが取り除けないので、火を点けてしばらくすると炎が小さくなる場合もあります。キャンドル用として使うには工業グレードレベル以上の専門的な精製処理がされている蜜蝋となります。

その他のワックス

ハゼロウ・・・日本古来のワックスとして和蝋燭に使われます。ハゼの栽培が九州のごく一部のみの為、大変貴重で高価なワックスです。一般的なワックスのように溶かして固めるという工程では亀裂が入りますので扱いも難しくなり、また特有の匂いが特徴です。

植物性ではその他にライスワックス・パームワックス・ココナッツワックス・オリーブワックスなど様々なタイプが存在します。

添加素材
ステアリン酸

動物性タイプ(牛脂)・植物性タイプ(パームなど)があります。主な用途はワックス(特にパラフィンワックス)の気泡除去などで添加します。またパラフィンワックスの色ムラを軽減します。

マイクロワックス

パラフィンワックスと同様に原油から精製分離した素材です。粘性が強くそのままでは使用できません。パラフィンワックスに加えて亀裂防止、またパラフィンワックスの透明感を無くしマットな風合いにします。パラフィンワックスとの配合比率を変えることで様々な用途のキャンドル制作が可能になります。

その他の添加剤

パルバックス・バイバーなど制作用途により強度向上や光沢感向上など色々な素材があります。

キャンドルショップ開業

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特殊効果ワックス

表面に結晶模様を出すワックス、クラック模様を出すワックス、まだら模様を出すワックスなどデザイン効果用途のワックスもあります。

キャンドル芯

キャンドル用の芯は一般的なタイプでは綿糸の編み込みした物、近年の新しいタイプでは木の板を使ったウッドウィック芯などもあります。キャンドル制作の要が芯選びです。ワックスとの相性は勿論、形状やサイズに合わせて芯を変える必要があります。また同じキャンドルでも夏季と冬季ではロウの溶け方も変わりますので、当然芯のサイズも変更するなどの工夫が必要です。

芯は国内外で様々な物がありますので、ご自身が作られる製品に一番良い芯を探す事から始めて下さい。どの芯でどの様に燃えるのか、炎の大きさ、ススの出る状態、ロウの溶ける範囲など細かくテストを行ってオリジナルのデータを作る必要があります。

キャンドル用の芯糸は専門工場が「キャンドルとして火を灯す目的」で製造しています。火を点けた際の毛細管現象を利用し、安定的な炎の大きさや持続性など研究された製品です。代用としてタコ糸や裁縫用の糸など使われる方がいますが、お店では決してこの様な代用品を使わない事を推奨します。

キャンドルカラー

ワックスに着色するための顔料や染料です。制作用途に応じて、またどの様な色合いの製品を作るかで使用する着色素材は異なります。キャンドル用として使えるのは「油溶性」となります。ワックスに対してどの程度のカラーを混ぜれば、どの程度の色合いになるかなど、実際に着色テストを行う必要があります。これもご自身の重要なデータとなります。

カラー素材は価格的にも大きな幅がありますが、安価なカラー素材やクレヨン代用などは製品用としては不向きです。当店の例ですと、RoHS(特定有害物質使用制限)をクリアしている物、MSDSが公開されている物などの基準で素材選びを行っています。

フレグランス

アロマキャンドルには欠かせない香料です。フレグランスオイル(合成香料)・エッセンシャルオイル(精油)と大きく大別されます。お店のコンセプトや商品アイテムの内容により使用する香料も変わります。尚、オイルが油溶性でないとワックスに混ざらず分離してしまいますのでご注意下さい。

道具各種

キャンドル作りには様々な道具も必要です。ロウを溶かす加熱器具から始まり、型(モールド)なども重要な制作アイテムです。商品のデザインなどに応じてご用意して下さい。

 

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